ヒメシャジン
ホソバヒメシャジン
    キキョウ科 ツリガネニンジン属
ミヤマシャジン

    キキョウ科 ツリガネニンジン属
 
2007.9.1 鳳凰三山   2007.9.1 鳳凰三山
萼片は細く、鋸歯がある。花柱は花冠と同長か、やや突き出る。

亜高山〜高山帯に生える多年草で、高さ15〜80センチ。葉はふつう互生するが対生することもあり、披針形〜長楕円形、鋸歯があり、先は尖る。
茎頂の総状花序に1〜数花を付ける。花冠は鐘形、
青紫色で長さ1.5〜2.5センチ。花柱は花冠と同長か、やや突き出る。萼片は細く鋸歯があり、変種のミヤマシャジンとの大きな違いとなっている。
葉が細いものを
ホソバヒメシャジンという。
  萼片は披針形で、全縁。花柱は花冠から突き出る。


亜高山帯〜高山帯の岩場、礫地などに生える多年草で、高さは10〜40センチ。葉は互生まれに対生し、披針形〜狭長楕円形で、鋸歯があり、先は鋭く尖る。
花は総状花序となり、花冠は鐘形、青紫色で長さ2〜3センチ、花柱が花冠から飛び出る。萼裂片は披針形、全縁で鋸歯がない。花期は8〜9月。東北〜中部地方に分布する。


〜徒然想〜

花崗岩の岩壁には
ホウオウシャジンが高貴に咲き、尾根道の草地にはヒメシャジンが慎ましく咲いていました。
花は淡い紫色で形もソバナに似ているが、1つの花茎にいくつも連なることはありません。背丈も10〜20センチ程度のものが多く、ヒメといわれるほどに慎ましい。
他の場所なら主役になれたかもしれませせんが、やはり、ここではホウオウシャジンに一歩譲ります。やむを得ないことでしょう。

また、この花は地域によって個体差がありました。八ヶ岳では背丈がずっと高く50センチほど、葉幅も細くなり、萼片に鋸歯が見られないものもありました。
白馬では、葉幅がずっと細くなり、ホソバヒメシャジンと呼ばれるものばかりでした。

−同じ科の植物−


ヒメシャジンとミヤマシャジン
基本種はヒメシャジンですが、この仲間は形態的な変化が大きいです。例えば、萼片についていえば、中間的な幅のものがあったり、鋸歯が有るものと無いものが隣りあって生えていたりします。
従って、ヒメシャジンは萼片が細く鋸歯がある、ミヤマシャジンは萼片が披針形で全縁であるとされているものの、両者を形態的な変化とみて区別しない見解があります。
事実、鳳凰山では萼片に鋸歯が有るものと無いものが混在していました。形はいずれも披針形で、あまり細くはありませんでした。
ホソバヒメシャジンについても、白馬のものは明らかに細く長い葉をもっていましたが、他の場所では中間的なものも見られました。
Photo Galleryに、これらの画像を並べてみました。


2007.9.1 鳳凰三山 2005.8.27 山梨県北岳
ホソバヒメシャジン  
     
 2008.8.11 長野県白馬岳   2008.8.11 長野県白馬岳 
   もっとこの花を見る → Ptoto Gallery