イヌシデ

カバノキ科 クマシデ属

2025.4.4 神奈川県川崎市   2025.4.12 神奈川県川崎市


山地、丘陵、里山などに生える落葉高木で、高さは15メートルほどになる。葉は互生し、卵形~卵状長楕円形、先は鋭く尖り、基部は円形~広いくさび形、縁は不揃いの重鋸歯がある。側脈は12~15対あり、裏面に出っ張り、葉裏の脈上と脈腋に毛がある。
雌雄同株で、葉の展開と同時に開花する。雄花序は黄褐色で長さ5〜8センチ、前年枝から垂れ下がる。雄花は苞の下に1個ずつ付く。雌花序は本年枝の先端や短枝の腋から垂れ下がる。苞は広卵形で、雌花が2個ずつ付く。花柱は紅色で先端は2裂する。果実は葉状で、10月頃熟す。花期は4〜5月。岩手県・新潟県以南〜九州に分布する。

~徒然想~

春を待ちわびて、近場の丘陵地を散策します。早速気付いたのは枝からぶら下がる花序です。見渡せば、周囲の枝から数多くの花序がすだれ状にぶら下がっています。
後で調べてイヌシデと知ったのですが、見るのは初めてです。
樹木の同定には、幹、葉、雌雄の花序などの撮影が必要です。枝を観察すると、ぶら下がる花序は雄花序で、新葉の間に突き出るのが雌花序とよう思われました。
葉は展開が不十分のため翌週確認し、鋸歯が鋭く、葉脈の凹凸が顕著、側脈は11~12対あることが分かりました。
似た仲間にアカシデ、クマシデがあります。

-同じ科の植物-

2025.4.4 神奈川県川崎市
 2025.4.4 神奈川県川崎市    2025.4.4 神奈川県川崎市
 花は葉の展開と同時に開花し、下に雄花序、先端に雌花序が付きます  
 
 2025.4.4 神奈川県川崎市
雌花序 苞は広卵形で、縁に毛があります
雌花は2個付き、赤い花柱の先は2裂します
   2025.4.4 神奈川県川崎市
雄花序 苞は卵状円形で、縁には毛があります
雄しべは数個あり、葯の先にひげ状の毛があります
 
 2025.4.14 東京都府中市
老木は縦筋状に浅い割れ目が入ります
   2025.4.4 神奈川県川崎市
比較的若い木のようです
 
 2025.4.12 神奈川県川崎市
葉裏 この葉の側脈は12対です
  2025.4.12 神奈川県川崎市
葉表 この葉の側脈は11対です
 
アカシデの葉   クマシデの葉
 
 2025.4.28 東京都八王子市
先端は尾状に尖ります
側脈は7~15対で、凹凸は低いです
   2025.4.14 東京都府中市
先端は尖ります
側脈は20~24対で、凹凸が顕著です